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パトラと私のシアワセ日記♪最近は旅行記が増えました。コメントは大歓迎です!掲示板かコメント欄からどうぞ(*^^)


by patora814
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豪華クルーズ船がハイチに寄港、乗客はビーチでバーベキュー

最近気になったニュースがありましたので、ここでも取り上げてみたいと思います。
長いですので、興味のある方だけ覗いていってくださいね。


私が申込んだクルーズ行程にもハイチが含まれていました。
ですので、今回のハイチ大震災の記事を読んだ時はいた堪れない気持ちになり、
すぐにネットを通じて募金をしました。

その後、「旅行はキャンセルしたほうがいいのではないか?」
という考えが頭をよぎりました。

それは、震災に遭われた方の心情を心配した結果...というわけではなく、
これから起こるであろう余震や津波が心配。暴動も怖いし犯罪に巻き込まれかねない...
という”自分”本位に考えた結果からでした。

すぐに代理店に連絡を取り現地の状況を確認すると、
「全く被害は受けておりませんからご安心ください。」というあっけない返事。
毎週出発しているクルーズ船も予定変更なく運行されているということ。

まずは一安心。

でも、その次の瞬間、私は複雑な心境に駆られたのです。

「目と鼻の先では震災に遭われた方が大変な思いをしているのに・・・。
 そこでバカンスを楽しむなんて・・・なんだか違和感を感じる・・・。」

その数日後、ニュースに取り上げられた記事を見て、
「やっぱり・・・。私だけが感じたことではなかったのだ。」という思いでした。

そうです。最近、賛否両論で物議を醸している
<豪華クルーズ船がハイチに寄港、乗客はビーチでバーベキュー>
という記事です。





そこで、私はこの記事だけにとらわれることなく、
自分自身でも調べてみることにしました。
すると、すぐに私が感じたことは感傷的な意見であり、
現時点で旅行先を変更することはナンセンスだと思いました。


まず、今回震災のあったポルトー・フランスと
プライベートビーチのあるラバディの距離は160キロ離れています。
つまり、震災で苦しんでいる人々を遠巻きに見ながら
バカンスを楽しんでいるわけではないのです。

*補足①:ラバディはこの船会社のプライベートビーチであり私有地です。
      私有地ですから当然、関係者以外立ち入ることはできません。


*補足②:例として、私の故郷鹿児島から160キロ先は屋久島辺りになります。

阪神大震災が起きたときも日本全国居酒屋は営業していて
会社帰りのおじさまたちはいつも通りに酔っ払っていましたし、
ディズニーランドも通常通り営業していました。

被災地からどれだけ離れていれば、”モラル違反”にならないのでしょうか?
どうしてここだけがこんなにも批判されてしまうのか不思議でしかたありません。

ロイヤルカリビアンクルーズ社だけでなく、多くのクルーズ会社が
ほぼ毎日、現在もカリブ海クルーズを運行させています。
ボルトー・フランスからそう離れていない他のカリブ海諸島で
バカンスを楽しむ人々は”モラル違反”にならないのでしょうか?

また、世界にはここ以外にも苦しんでいる人々はたくさんいます。
貧困や飢餓、虐殺などで明日生きられるかさえ分からない人たちがいるのです。
その隣でショッピングをしたり、ビーチで寝そべったり、美味しいものを食べたり・・・
それらは批判されることもなく、普通のこととして行われているはずです。


ラバディとポルトー・フランスの位置関係が分かりやすように
マップを貼り付けてみました。

被災地(ポルトープランス)から北に160キロではなく
東に160キロ離れたドミニカ共和国でバカンスを楽しむのであれば
これほど批判されることもなかったのでしょうか。でも、それもおかしな話ですよねぇ。
( ↓ ”A”がラバディの位置を示しています。)

豪華クルーズ船がハイチに寄港、乗客はビーチでバーベキュー_e0160595_13444934.jpg













次に、思ったこと。

ロイヤルカリビアンクルーズ社が行う人道支援についてです。

同社は100万ドル(日本円で1億円もの額)の寄付を決定し、
クルーズ客船に物資や食料を積み込んで現地に届けることにしています。
ラバディでの売上を全額ハイチに寄付することを決めましたし、
緊急な支援だけではなく、長期的な支援も検討しています。
また、同社は230人ものハイチ人従業員を雇用しています。

物資が現地に届られた様子がYou Tubeに掲載されていましたが、
現地の方はこれらの支援を好意的に受け止めているようでした。
物資や食料を輸送するという方法は、クルーズ会社だからこそできる
素晴らしい支援方法の1つだと思います。

ハイチは最貧国であり、主な収入源は観光と言われています。
もしも、今回被害のあったポルトーフランス以外の地域にある
観光ビジネス全てを自粛したとしたら、ますます経済的に窮地に立たされてしまうでしょう。

震災のあった場所だけでなく、それ以外にいる方々までが
窮地に追いやられてしまうことは好ましいこととは思えません。

現実を見据え、客観的な視点からこの一連の出来事をみると、
今回、カリビアンクルーズ社が決定した内容は
この状況下においてベストなものだったように思います。
多額の寄付や物資の輸送支援などをせずにラバディ寄港を取りやめ、
終日航海や他の港へ寄港する選択だってできたはずです。
他のクルーズ会社も今回のロイヤルカリビアンの決定を支持する表明をしています。


では、何故これだけ大きく取り上げられているのか?

乗客の中で良い印象を受けなかった方がブログなどに書きこみをし、
それを見たイギリスの出版社が記事として取り上げたことから始まったようです。
日本のニュースではロイヤルカリビアンが行っている人道支援よりも
観光客がビーチでバーベキューをしている事実のほうが大きくクローズアップされてしまい、
結果、感情的な意見が多くなってしまい、大きく騒がれてしまっているのだと思います。

書き手によって意図的な意味を持つ記事が世の中に氾濫していると思うと、
本当に悲しくなるのと同時に、私たちは自分自身で正しい情報を
きちんと選択しなければならないことを痛感させられました。




上記の理由から、私は3月のカリブ海クルーズは予定通り出発し、
ハイチ寄港の際は下船することにしたいと思います。

多くの観光客が現地でお金を費やすことで地元住民に直接お金が届くわけですから、
政府に寄付することとは別に大きく意義のあることだと思っています。


最後は、ハイチから国連へ派遣された特使の言葉で締めくくりたいと思います。

"Given the terrible economic and social challenges we now face in Haiti,
we welcome the continuation of the positive economic benefits that
the cruise ship calls to Labadee contribute to our country."

バリ島でテロが起きた時、スマトラ島地震が起きた時、
両親や周りの友人はテロの再発、余震や津波を心配して
バリ島旅行をやめるべきでは... と気遣ってくれました。
しかし、私たち夫婦は旅行先を変更することなくバリ島を訪れました。

「お客さんが少なくなって...困っている。来てくれて嬉しい。」
そう言ってくれたバリ島の人たちを思い出します。


ハイチが風評被害に遭わないことを切に願っています。

最後までお付き合いくださりありがとうございます。
by patora814 | 2010-01-23 12:12 | わたしの日記